阪神佐藤輝明内野手(25)が打撃修正の成果を見せた。中日戦(バンテリンドーム)で会心の中越え二塁打にはじまり、中前打、左前打と内容の濃いヒット3本を打ち分けた。オープン戦打率1割台と当たりが止まり、前日16日は初めて欠場。だが、この短時間でオフから固めてきた新フォームに微調整を加え、結果につなげた。

まだオープン戦の1試合とはいえ、佐藤輝の気構えは明らかにこれまでと違っていた。「しっかりバッティングフォームを見直して臨みました」と落ち着いた様子で振り返った。

2回1死の第1打席。球威ある中日右腕メヒアに、厳しく内角高めばかりを攻められた。5球目、仕留めに来たスライダーを見極めると、続く低めの150キロを払うようにスイング。芯を食った弾丸ライナーは中堅手の頭上をあっという間に越えていった。

6回の第3打席は田島から痛烈な投手返しの中前打。厳しい変化球2球で追い込まれたが、直球を軽打するように、とらえた。8回には左腕斎藤の初球、甘い直球を流し打ち、鋭く三遊間を抜いた。3安打の内容を聞かれると「まあ、良かったんじゃないですか」と首を縦に振った。

15日の段階で打率1割2分8厘。その試合の9回無死一、三塁で、マルティネスから打球を前に飛ばせず空振り三振に倒れた。岡田監督は「どんな当たりでもバットに当てて、前に飛んだら何かが起きるけど、三振は何も起きない」と指摘。調子の良しあしとは別に、主軸打者として、厳しい視線を送られていた。

16日はオープン戦を初めて欠場した。この時間を無駄にはしなかった。同日の試合中にはノイジーと10分以上、ベンチ内でバットの出し方などについて話し合う姿があった。

オフからグリップ位置を浅めに、少し下げて構えていたが、この日はやや深めにしていた。「(どう固めるか)まだ分からないですけどね。絶対、フォームは崩れていくので。毎日同じ感じでは打てないので、どうやったら同じ感じで打てるかと」。変更点については明言を控えたが、現状の自分の状態、スイング軌道と向き合って、試合に臨んでいた。

開幕まで準備に使えるのは5試合。「しっかりバッティングフォームを確認しながら、いい当たりを打てるように頑張ります」。この日の3安打が意味する答えは、公式戦に入ってから出るはずだ。【柏原誠】

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