そんなん、心配ないよ。阪神はオープン戦最終戦で逆転負けを喫し、18年以来6年ぶりのオープン戦最下位が確定した。

それでも岡田彰布監督(66)は3勝14敗1分けの結果を「そんなん全然関係ないわ」と一蹴し、余裕の表情だ。この日は蓄積疲労で近本光司外野手(29)がベンチ外となるなど、大山悠輔内野手(29)、森下翔太外野手(23)も含めた主力3人がスタメン外。あくまでも開幕戦に照準を合わせ、3月29日巨人戦(東京ドーム)へ心身の準備を最優先する。

   ◇   ◇   ◇

オープン戦最終戦で逆転負け。18年以来6年ぶりの最下位が決まっても、岡田監督はこれまで通り笑い飛ばした。「そんなん全然関係ないわ。何かあんの?」。3勝14敗1分け。確かに負の数字はシーズンの成績には全く関係ない。

選手の状態も開幕にベストで臨ませることが最優先だ。この日は疲労蓄積を考慮されたリードオフマン近本が2日連続でベンチ外。下半身の張りを抱える主砲・大山はベンチ入りこそしたが、出番はなかった。森下は9回2死からの代打出場にとどまった。

指揮官は森下の起用について「いやもう、いてなかったんや、代打」と笑って明かした後、大山の状態を聞かれると少し思案した。「まあ大山ねえ、近本の方が心配やけどなあ。大山もちょっと走るのがあるからなあ、4、5日あるから。なんとかそこでな。ある程度ゲームできるようになればええと思うけどな」。

珍しく不安をのぞかせたのも、3月29日の開幕戦で万全の状態を求めるからこそだ。「まあそんな重傷やないから、それだけや。あとはそれが治って、29日にスタメンいけるようにな。それを願ってるだけやわ」と冷静に先を見据えた。

オープン戦18試合を終え「収穫は、あんまりなかったなあ」と率直に話すのも、冷静に現状と向き合っているから。すべては3・29からの143試合だ。

思い返せば、10日の巨人戦(甲子園)に敗れて球団ワーストを更新するオープン戦開幕9連敗を喫した直後、指揮官は自ら「吉兆データ」を持ち出していた。「オープン戦最下位が…4年間で3チームが優勝してる言うてるやん」。

実は昨年阪神が優勝するまで、20年から3年連続でオープン戦最下位チームがセ・リーグの頂点に立っている。心強いデータも、球団初の連覇という偉業を後押ししてくれるかもしれない。予言通りにシーズンで白星を積み重ね、ファンを安心させる。【磯綾乃】

【関連記事】阪神ニュース一覧