日本ハム新庄剛志監督(52)が早くもチームに活を入れた。開幕2戦目のロッテ戦(ZOZOマリン)は打線がつながらず、今季初の完封負け。3点を追う9回は二塁からタッチアップで三塁を狙った万波が走塁死となり、ゲームセットとなった。指揮官は負けたことよりも状況判断や細かなプレーの精度に対して厳しく言及。目指す開幕ダッシュを実現させるため、早急に課題をつぶしていく。

新庄監督は前夜の明るさから一転、試合後は厳しい表情で自ら切り出した。

新庄監督 もっと野球を覚えないといけない。

指摘したのは3点を追う9回1死二塁で起きたプレーだ。二塁走者の万波が中飛でタッチアップを試みた。ロッテ野手陣も無駄のない中継プレーで三塁へボールを転送。それでも万波の足が速く三塁ベースに到達したかに見えた。勢い余った万波の右足がベースから離れ、タッチアウト。新庄監督はリクエストを要求したが判定は変わらず、試合が終わった。

新庄監督の冒頭の言葉は、次のように続いた。「3点差で無理して行く場面でもない」。状況としては同点、勝ち越しを狙うために走者をためたい場面。リスクを背負って、次の塁へ進もうとする選択はしなくていいシーンだっただけに「直させます」と誓った。

快勝した29日の開幕戦でも気になる場面があった。「昨日の五十幡君にしても、4点差あってホームに投げなくていいのに投げた」。4点リードの9回1死一、三塁の守備。左翼を守っていた五十幡が飛球を捕球後にバックホーム。三塁走者の生還を阻止しようとしたが間に合わず、その間に一塁走者には二塁へのタッチアップ許していた。

新庄監督 (状況判断の大事さは昨季までの)2年間、言ってきたつもりですけど、それができないと、こういう結果につながる。

1つ1つ正確な判断を積み重ねた先に勝利が近づく。「エラーとかミスはね、練習してうまくなりますけど、ああいう判断ミスっていうのは練習できないですから」。この日の4回無死二塁の守備。遊ゴロを捕球した水野が三塁へ送球もセーフ(記録は野選)となったシーンは「もちろんサード(に投げる)」と状況判断は良かったが、タッチしづらい送球がミスで「練習させます」。まだ開幕2戦目。それでも、最低でもAクラスを目指す長いシーズンを見据え、あえて厳しく指摘し、手綱を締めた。【木下大輔】