先発として最初の1歩を踏み出した。ソフトバンク大津亮介投手(25)がプロ初の先発で1勝目。6回108球を投げ8安打を許すも、最少失点で踏ん張った。無四球で投げ終え「一苦労した1勝。初登板でいい結果が残せた」。お立ち台で、白い歯がこぼれた。

持ち味を発揮し、粘った。初回2死。ロッテ藤岡に先制ソロを浴びるも、2回以降は無失点投球。毎回安打を浴びたが、要所は締めた。計7種類の変化球を織り交ぜ、決定打は許さない。ワンシーム、カットボールは打者の手元で変化させ、チェンジアップで緩急もつけた。「緊張感もありましたけど、普段通りに投げられた」と胸を張った。

因縁の相手でもあった。昨季のクライマックスシリーズ・ファーストステージ第3戦。相手はこの日と同じロッテだった。1勝1敗で迎え、延長10回までもつれ込んだ最終戦でサヨナラ負け。マウンド上で涙に暮れた右腕が、真っさらのマウンドで借りを返した。「ロッテが初登板でむしろ良かった」と言えた。

チームも2カード連続で勝ち越しを決めた。「そこは意識していたので。結果で示せた。次の登板も自分らしく全力で」と強い決意をにじませた。【佐藤究】

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