ここで打つのはやっぱりこの男! 阪神森下翔太外野手(23)が9回に同点打を放ち、今季初の延長戦&勝利を呼び込んだ。振り抜いた打球が左前に落ちると、虎党の大歓声に包まれた。森下は一塁上で右手を振り下ろし、喜びを爆発。3月31日の巨人戦で決勝打、3日DeNA戦でも逆転決勝2ランを放った背番号1が、またも勝負強さを発揮した。

「(打ちに行く迷いは)全くなかったですね。もう変化球見えてたので、まっすぐ系で、もうどんどん行こうと思いました」

5-6の9回。1死満塁で打席が回った。ヤクルトの5番手大西は2球続けて大きく外れ、3球目だ。真ん中に入ったストレートを狙い撃ち。打率1割5分4厘と低いがここ一番の打棒が光る。

8回の第4打席、無死一塁では三遊間を抜けたかと思われた打球を三塁村上が好捕。今度は痛烈な打球を左前に見せつけた。「自分の持ち味って、ああいうところで1本出せたりするところ」とにっこりだ。

9回は攻撃陣が一丸になった。4-6で敗色濃厚も誰も諦めない。先頭の代打小幡が四球を選ぶと、1死後、代打糸原がガッツポーズの右前打。続く1番近本も四球を選び、2番中野が5球目で押し出し。3番森下の同点打、さらには延長10回の6番佐藤輝の決勝弾とつながった。

中野はオープン戦の不振から完全復調を示す今季初の3安打。2-3の5回には1死一、三塁で右前に運ぶ一時同点打も決めた。チームは今季最多の12安打&7得点で3時間51分の熱闘を制した。打ち出したら止まらない猛虎打線に火がついた。【村松万里子】

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