新天地で輝いた。サブマリン右腕の巨人高橋礼投手(28)が6回3安打無失点でソフトバンクから移籍後、初勝利を挙げた。21年4月17日西武戦以来、1086日ぶりの白星。「長かったですね。でも今後、野球だけでなく、人生をあと30年、40年、50年と生きていく中でも必要な時間だったと思いました」とかみしめた。

変化。振り返れば、野球人生のターニングポイントは変化がキーワードだった。大切にする言葉がある。「グラウンドに出たら人格を変えなさい」。専大松戸(千葉)入学直後、森岡健太郎部長に言われた。放課後は野球場に移動する電車を少し遅らせたり、コンビニに寄り道したり、野球に情熱を注ぎ込めなかった。「性格は変わらないかもしれないけど、人格は変えられる」と付け加えられ、胸に落ちた。怠けたくなる時は人格を変えることを意識し、スイッチを入れ直す。

中3夏も忘れられない。当時はオーバースローで流山ボーイズの4番手投手。マウンドでノックを受け、三塁送球した時、コーチから下手投げの資質を見抜かれた。「打ち取れるなら」と迷わず腕を下げた。元ロッテ渡辺俊介の雑誌の連続写真、父のパソコンで元西武牧田和久のYouTube動画を繰り返し見ながら研究。4番手右腕はサブマリンの個性を手にし、最後の大会はエースとなった。

巨人に移籍後は「困ったらど真ん中」の阿部監督が掲げる方針に、復活を後押しされた。迷わず腕を振って大胆に攻め、制球難は解消された。ユニホームが変わり、これで開幕から12回無失点となった。【上田悠太】

【関連記事】巨人ニュース一覧