日本ハム新庄剛志監督(52)のスタートダッシュが見事に決まった。7カード連続初戦白星を飾り、開幕から12勝8敗1分けとし、就任3年目で初の3、4月の月間勝ち越しを決めた。この日は、球団を創設した大社義規初代オーナーの命日で、試合前にはチーム全員で黙とう。日本ハム本社創業者でもある天国のレジェンドへ、感謝の1勝を届けた。

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全員の思いが1つになった1勝だった。新庄監督は試合を終えると第一声で「今日はファイターズをつくってくれた大社オーナーのために何としても勝ちたかった。喜んでくれていると思います」。球団生みの親、大社初代オーナーへ手向ける大きな白星になった。

練習前には、自身の提案でチーム全員が右中間付近に輪をつくり、黙とうした。04年に日本ハム入りした当時、指揮官は同オーナーから「日本一取れよ。俺に日本一の姿を見せてくれ」と託され「必ず約束を果たします」と誓った。同オーナーは05年4月27日に90歳で亡くなり、新庄監督は翌06年の日本一に貢献。天国へ旅立っていた同オーナーのため「オーナーの写真をぜひ、胴上げさせてください」とお願いし、息子の啓二氏が写真を持って胴上げされた経緯もあった。

新庄監督は「野球少年のような目で、いろいろアドバイスしてもらって。野球がめちゃくちゃ大好きで」と、懐かしんだ。その上で「大社さんがファイターズをつくってくれなかったら、この大好きな野球で飯を食えないので」と、大恩人への思いを口にした。

今度は指揮官として恩返しする。就任3年目にして、ようやくつかんだシーズン頭の月間勝ち越し。勢い良くスタートを切った上に、カード初戦は7連勝だ。「143試合でカード頭取ったら何勝ですか?(笑い)大きいですね。(選手の)成長しかないでしょ。休み挟んでのカード頭。さあやるぞという気持ちしかない」。貯金を再び4に増やし首位ソフトバンクと2・5差キープ。しぶとく食らい付き、プレッシャーをかけ続ける。【永野高輔】

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