逆転Vへ虎の勢いが止まらない。阪神5番の佐藤輝明内野手(25)が2戦連発で怒濤(どとう)の5連勝を導いた。初回に3番森下の先制打、4番大山の適時打に続いて左中間へ13号2ラン。一挙4点の猛攻を仕上げた。森下は4戦連続打点で9回に14号2ランを放った大山は6年連続60打点に到達。全6得点を3人で稼ぎ、今季の打点そろい踏みは12戦全勝だ。巨人と広島の上位が勝ち、首位との2・5差は変わらなかったが残り17試合、虎が負けじと食らいつく。
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止まらない。この夜も佐藤輝劇場だ。表情一つ変えず、大股で走る姿に貫禄が漂った。森下と大山の適時打で2点を先制した初回、なお1死一塁。左腕高橋の2球目、甘いスライダーに強くバットを出した。
「もっと追加点を、という気持ちでした。打席に入る前から準備して、初球のファウルから、いいスイングができていた。いい感触でした」
打球は左中間最深部にぐんぐん伸び、軽々とフェンスオーバーする13号2ラン。前日6日の満塁弾に続く今季3度目の2戦連発を東都の虎党に届け、一気に試合の主導権を握った。
5連勝に導く一振り。「独り負け」するわけにいかなかった。デーゲームで首位巨人、2位広島がともに接戦を勝った。それぞれ2・5差、1・5差で食らいつき、不気味に迫る4位DeNAとは3ゲーム差に広げた。大きな白星だ。
岡田監督も連日の豪弾に敬礼するしかない。「あそこで2点で終わるのとな。2ランは大きいよな。風もええかも分からんけど、何かよくボール飛ぶよ。振れてるのもあるかも分からんけど。ちゃんと、ええポイントで打ってるから飛ぶというのもあるしな」。秋の勝負どころで上げてきた調子の良さに目尻が下がる。
森下、大山、佐藤輝のドラフト1位トリオがそろって打点を挙げた試合は今季、12戦全勝。5番が打線の破壊力を倍増させている。
神宮での相性の良さも変わらずだ。今季10試合で、甲子園を含むセ本拠地で最多の5本塁打。打点は14、打率3割5分1厘。その神宮は現在につながる出発点となった地でもあった。
6年前の近大2年秋、明治神宮大会に出場した。当時の田中秀昌監督は、自慢の大器を全国に売りだそうと考えを巡らせた。原辰徳氏の巨人監督復帰が決まったタイミング。ピンと来た。原監督の代名詞、背番号8をほかの選手から替えてまで背負わせ、「4番三塁」で起用。スラッガーは期待に応えて本塁打を放ち、“近大に佐藤あり“を印象づける大会になった。
2打点上積みで63打点。1位巨人岡本和に5差に迫る5位に浮上した。森下は64打点の4位で刺激し合う間柄。「トップ争いできるくらい、もっともっと打点を稼ぎたい」。勝ち続けるしかない状況は続く。背番号8が猛威を奮う限り、阪神の望みはつながっていく。【柏原誠】



