阪神村上頌樹投手(26)が自身初の開幕投手で虎35年ぶりの快挙まで目前に迫った。8回2/3で自己最多135球を投じ、4安打1四球7奪三振で無失点。5度も3者凡退に抑え、藤川監督に初勝利を贈った。
阪神では90年中西清起以来の開幕戦完封まであと1人だった9回2死一、三塁で降板。「真っすぐの走りもよかったので、いい投球になった。投げきりたかった。詰めが甘い」。試合後は顔色を変えずに反省も口にしたが、誰もが納得する快投に違いなかった。
昨年の悔しさも胸にマウンドに上がった。昨季初先発の4月2日DeNA戦は3回5失点(自責1)で黒星。翌日の練習には、うつむき加減で参加。知らず知らずのうちに表情が暗くなっていた。「見られる立場になっているぞ」。青柳や西勇からの指摘でハッとした。7勝11敗で悔しさが残ったまま昨季は終了。「何か変えようと」。今年は必要以上に気負いすぎないと心に決めた。
参考にした1つが23、24年開幕投手の青柳の姿だった。「ヤギさんも開幕戦だから特別に変えようという姿はなかった。自分もそれはない」。開幕戦でも「143の中の普通の1試合」と特別視しなかった。3年連続で自主トレを共にした師匠から受け継いだ開幕投手のバトン。「教えてもらったことは大きい。ずっと生かしていけたら」。大役の務めを果たした。
マツダスタジアムでは昨年9月27日、救援登板でサヨナラ打を浴びて涙した。苦悩の記憶を今季初登板で振り払い、「去年はスタートが悪かったが、今年はいいスタートが切れた」と納得顔だ。V奪回へ。23年MVP右腕が堂々と胸を張ってマウンドに立ち続ける。【塚本光】
▽阪神安藤投手チーフコーチ(先発村上が9回途中無失点の好投)「もう十分、十二分の投球でした」
▽阪神富田(29日敵地広島戦で先発)「やっぱり勝ちたいという気持ちが強い。そこはしっかりぶつけて、いい結果になるように頑張りたいと思います」



