西武栗山がプロ25年目の1打席目に痛烈なセンター返しを見せた。ヒット。「たまたまじゃないですか? たまたま。たまたま。でもそのたまたまが次の打席、またチャンスあったら、同じようなスイングができるように」と深い。たまたまの蓄積で2151本も打った。
仮に結果はたまたまでも、準備は「すごい」のひと言。試合の3時間前、誰よりも早くベンチに野球用具を並べる。試合では3回から素振り。「できるだけ、考えられるだけの最高の準備を」。1軍だからじゃない。11日の3軍戦。朝8時から目に気合がこもる。「起きた時間っすか? 5時半とかかな」。仕事への情熱は半端ではない。だって仕事だから。ある人は「栗山さんがいるといい意味でピリつきます」と言う。
年々高速化する各球団リリーフ陣をどう打つか-。練習を見るたびに何かが違う。「とにかく試してます。また変わるかも」。試行錯誤の末にバットを短めに持ち、構えの位置も変えた。土曜の夜、若手たちは痛烈打に何を思うか。「やっぱ栗山さん、すげえ」ではなく「俺はそこまでできているのか、明日から何をすべきか」の自問自答派が何人いるかで、栗山去りし後の獅子の行く末が決まる。【金子真仁】



