阪神は猛追及ばず今季2度目の2連敗を喫し、2カードぶりの負け越しが決まった。藤川球児監督(45)の通算100勝目はまたもお預け。両軍合わせて計25得点だった前日21日に続き、この日も計13得点の乱打戦に敗れた。接戦を演出したのは大山悠輔内野手(31)のバットだった。まずは2回1死で左翼に2号ソロ。1-4の3回2死満塁では2打席連発で一時勝ち越しとなる3号満塁本塁打を右翼席に運んだ。
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大山はチームメートからの信頼が厚い。4月4日、その理由が分かる場面を目撃した。敵地広島戦。降雨の影響で試合開始が1時間遅れ、試合前練習を室内で行った日だった。
マツダスタジアムでは室内練習場に向かう際、選手や関係者に共用の傘が用意されている。少し遅れて出てきた大山は2本だけ残っていた傘を後輩の高橋と桐敷にゆずった。2人は一度ちゅうちょしたが、大山はゆずり通した。そのまま雨の中ひとり小走りで室内練習場に向かった。自主トレで師事する小野寺が「私生活も見習いたい」と話す男は、細かな場面でも他人を気遣う。
公の場でも同じだ。この日、一時勝ち越しの満塁本塁打を放った直後の3回裏だった。21歳の先発茨木が佐野に同点ソロを献上。2死から戸柱に四球を与えたところでマウンドに駆け寄り、声をかけた。茨木の尻をポンと軽くたたき、茨木は落ち着く。大山の行動には人情味があふれる。
残り16打数でNPB通算打率ランキングの規定となる4000打数に到達する。一流の勲章。現役選手で規定に達している選手がいないのは阪神だけだ。大山は名実ともにグラウンド内外でチームを引っ張り続けている。【只松憲】



