ちょっと遅くなったけれど西武アラン・ワイナンス投手(30)に春が来た。来日初勝利。

「いつ1軍で投げられるかは自分で決めることじゃないから」。天命を待ち、メジャーの球場のような北の大地で、笑顔の花を咲かせた。

右ひじ痛で出遅れた2月末。練習試合に同行したひなたサンマリンスタジアムの場外で、ちょうどサクラが見頃だった。「あぁ、これがみんなが言ってたニッポンのサクラかと思って。僕が住むカリフォルニアにもいろんな花は咲いてますけど、こんな感じではなくて。こうやって美しいから、日本のサクラって有名なんだろうなと思います」としみじみ話し、続けた。

「3月になったら妻と子どもも来日するんです。妻もいろいろ日本のことを検索してて。いろんなところに出かけたいです」

でも自身の状態が一気に上がらない。家族で1軍の試合をこっそり観戦し「すごい!」と雰囲気に感激したことはあったが、遠出はまだなかなか。それでも妻子は2軍戦をいつも見に来てくれた。「もうすぐ2歳だけど4歳みたい。自慢の息子だよ」と胸を張る。その愛息のTシャツの胸元には「WINANS」の文字が。WINANS=ワイナンス。オリジナルだ。「妻はWINANSジャケットを持ってるよ。僕が1軍で投げる時までとっておきにしてるんだ」。やっと満開の時が来た。【金子真仁】