楽天が来季の2軍打撃コーチに、球団で管理部長を務めている河野亮氏(43)を起用することが28日、分かった。現役時はヤクルト、ダイエー(現ソフトバンク)、中日などでプレーし、右打ちでパンチ力のある打撃が売りだった。左打ちの草野2軍打撃コーチとのコンビで、若手を鍛える。

 “闘将の教え”を間近で学んだ人物が、コーチに就任する。河野氏は01年に現役引退後、3年間のサラリーマン生活を経験。楽天創設1年目の05年にフロントとして球界に戻った。10年秋に星野監督が就任してからは、担当マネジャーとして支えた。仙台では、球場と星野監督の自宅を結ぶ監督車の運転手を務めた。元選手の視点から、その日の試合で気がついた点を率直に意見することもあった。星野監督にとっても、試合の不満を同氏にぶつけることで、新たな発見を得られた。片道10分ほどの通勤は、貴重な時間だった。

 星野監督は退任したが、河野氏は身近で同監督の考えを吸収してきた。初めてのコーチ業となるが、若手に星野イズムを伝えることも期待されている。

 ◆河野亮(かわの・りょう)1971年(昭46)5月3日生まれ。神奈川・横浜出身。日大藤沢から90年にドラフト外でヤクルト入団。96年からダイエーで2年連続7本塁打。中日、オリックスを経て01年に引退。通算185試合93安打17本塁打58打点、打率2割3分4厘。2軍ではイースタン(95年ヤクルト)、ウエスタン(99年ダイエー、中日)それぞれで本塁打王。現役時は一塁手、外野手。181センチ、92キロ。右投げ右打ち。