元画学生の記者高場がプロレスラーを描き、その魅力を探る企画第3弾のモデルは人気急上昇のタッグ“チーム200キロ”こと橋本千紘(27=センダイガールズ)と優宇(28=EVE)。描き応えのある2人の体とキュートさに魅了され、取材後にもう1枚じっくり描いてしまいました。【取材・構成・絵=高場泉穂】

デッサンを終えた高場記者(中央)は「チーム200キロ」の橋本千紘(左)、優宇と「ぎゅん」のポーズで記念撮影(撮影・鈴木みどり)
デッサンを終えた高場記者(中央)は「チーム200キロ」の橋本千紘(左)、優宇と「ぎゅん」のポーズで記念撮影(撮影・鈴木みどり)

今回のモデルは女子プロレス界で話題の「チーム200キロ」。優宇いわく「1人暮らし用冷蔵庫みたいな、世界的にも珍しい体形」。見ているだけでなぜか幸せな気持ちになる2人の姿を描いてみたいとオファーすると快諾。11月某日某所でデッサン会を開いた。

★アイドル風(5分)

試合のコスチュームに着替えた2人に「なかなか普段しないポーズを」と注文。台の上に背中合わせで座り、正面を向くアイドル風? のポーズに決まった。いざ鉛筆を紙に走らせると、体のラインの丸みを追うのが面白い。開始前は「このポーズは楽」と笑っていた2人が次第に「背中が熱い…」「汗が…」ともじもじし始めた。私は必死に手を動かす。2人分の体を大まかに捉えるだけであっという間に時間切れとなった。

高場記者が描いた「チーム200キロ」橋本千紘と優宇のWぎゅん
高場記者が描いた「チーム200キロ」橋本千紘と優宇のWぎゅん

★Wぎゅん(5分)

今度は橋本のトレードマーク「ぎゅん」のポーズを並んでやってもらうことにした。「せーのー『ぎゅん』」でスタート。すぐに「ぐっ、きつい…。トレーニングですね」(橋本)と2人の腕がぷるぷるし始めた。私の目に入ってくるのは立派な足と、上を向くことで見えてくる顎から首にかけてのなだらかな形。全身を2人分なので時間が足りない。面白い姿なので、おかわりで5分描かせてもらうことにした。

「チーム200キロ」の橋本千紘(左)、優宇(中央)をデッサンする高場記者(撮影・鈴木みどり)
「チーム200キロ」の橋本千紘(左)、優宇(中央)をデッサンする高場記者(撮影・鈴木みどり)

★Wぎゅん2回目(5分)

ポーズが始まると優宇は天井のまだら模様をみながら「数えようかな…」。それほど同じ体勢を5分キープするのはきついようだ。申し訳ないと思いながら必死にかき進めると、次第に形が取れてきた。腕が段々下がってくると、「こま犬みたいになってないですか?」と優宇。笑いをこらえながら残り数分集中し、全体を何とかかききった。

鍛えた筋肉の上についた肉は2人とも柔らかそうで、肌の表面も美しい。さらにきちんとなぞってみたいと思い、帰宅してからもう1枚じっくり描いてみた。なぜかわいいと感じるのか。それは2人の顔にも理由があると気付いた。一般社会ではなかなかお目にかかれない丸みと、くしゃくしゃした笑顔。それが地方のゆるキャラ的な不思議な魅力を醸し出す。

◆橋本千紘(はしもと・ちひろ)1992年(平4)7月1日、福井県坂井市生まれ。東京・安部学院高3年でアジアジュニア選手権67キロ優勝、全日本選手権3位。日大卒業後、センダイガールズ入団。15年10月デビュー。得意技オブライト。158センチ、88キロ。

◆優宇(ゆう)1991年(平3)7月19日、千葉県船橋市生まれ。小学校から柔道を始め、高校2年時には関東大会2位。15年に東京女子の練習生となり、16年1月デビュー。18年12月に退団し、19年4月から英国団体プロレスリングEVE所属。得意技ラストライド。156センチ、90キロ。