同級王者石本康隆(34=帝拳)が判定で初防衛に成功した。

 初挑戦の同級1位藤原陽介(29=ドリーム)との対戦で、2回に右ストレートでダウンを奪った。その後も攻勢ながらもクリンチの場面が多くなった。

 7回には右ストレートを再三もらう反撃を食う。バッティングで前頭部を2カ所裂傷もしたが、9回には右アッパーで2度目のダウンを奪った。採点は3者とも8ポイント差の3-0で判定勝ちとなった。

 ジョーク交じりに「ぼくにKOは期待してないと思う。めったにダウンとったことないので焦った。迷いがあり、後手になり、力んで雑になった」と反省ばかり。

 中野トレーナーからも「王者が先ににクリンチしているようではだめ」とダメを出された。10月には35歳になるが、WBO9位で世界ランクにも復帰した。「この試合じゃ恥ずかしいけど、世界を目指している。収穫は勝ったことだけ。練習します」と初防衛にも喜びは少なかった。