WBC世界バンタム級9位井上拓真(22=大橋)が来年の世界初挑戦へ向けて、プロ入り10連勝を飾った。

 元日本同級王者益田健太郎(34=新日本木村)との一戦。序盤から攻勢も中盤は攻めあぐね、反撃も浴びたが、2~6ポイント差の3-0で判定勝ちを収めた。

 前半は左ジャブや右アッパーもよく先手をとって攻勢だった。中盤に極真空手出身でリーチのある益田のパンチをもらった。左ボディーも攻められて、ペースが崩れた。さらに右足裏の土踏まずに靴擦れができ、「インソールが合わなかった。結構痛かった」。これで左から右につなげるはずの攻撃が不発に。終盤にはパンチをまとめて判定勝ちにも「前半とペースが同じで、相手ペースになった。いろんな攻撃で変化をつけたかった。後半につれて相手の土俵になった。自分のボクシングを貫いていかないと。勝ちで次ぐにつながったことはヨシとしても…」と反省しきり。「お父さんの説教タイムが待っている。素直に喜べない」と笑みはなかった。

 それでも世界挑戦4度の久高に続いて、元日本王者益田とベテランに連勝した。「根性で来るベテラン日本人に打ち勝った。いい経験でいい自信になる」と、世界へまた1歩前進した。陣営は来年に世界初挑戦のプランで「決まればやりたい。それには悪いところを直していく」とさらに成長を誓った。