2年10カ月ぶりのリングとなった元世界2階級制覇王者・粟生隆寛(33=帝拳)が宿敵に雪辱した。

 12年10月に判定負けでWBC世界スーパーフェザー級王座を奪われたガマリエル・ディアス(37=メキシコ)と62・キロ級契約8回戦に臨み、3ー0の判定勝ちをおさめた。3回には右ジャブからの左ストレートでダウンも奪取し、勝利後に感極まって涙を流した。

 15年5月に米ラスベガスでのWBO世界ライト級王座決定戦で敗退(後に相手の薬物違反で無効試合)して以来の再起戦だった。「2年10カ月の間、試合も何も決まっていないボクをいろいろな方が励ましてくれた」。目を赤くし、言葉に詰まりながら何度も感謝の言葉を口にした。

 15年11月、ディアスとノンタイトル戦で再戦する予定が、自らの左足負傷で試合キャンセルに。練習復帰後、ジム仲間のスパーリング相手として実戦感覚を養い、いつでも試合をやれる準備だけは整えてきた。「リングのにおい、雰囲気、こんな感じだったなあと思い出せた」と再スタートを実感しているようだった。