ボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(32=大橋)が世界上位ランカー5人と約7年ぶりとなる計120回到達の総スパーリング数を消化し「キャリア最大の強敵」を迎え撃つ。14日、名古屋・IGアリーナでWBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30=ウズベキスタン)との対戦を控え、2日に横浜市の所属ジムで練習を公開。元統一王者や日本、アジアの現王者と18年以来となる実戦練習に取り組み、自らも納得の充実トレで大一番を待つ。

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軽めのミット打ちでもパンチのキレが分かるほど井上は仕上がっていた。力強さと速さを兼ね備えたシャドーボクシングも披露し「過去一(の仕上がり)で。本当に練習パートナーと、そのスパーリング内容、トータル的にすごく良い。充実した練習ができた」と納得の表情を浮かべた。

アフマダリエフに唯一の黒星をつけた元2団体統一同級王者マーロン・タパレス(フィリピン)と約1カ月間、スパーリングを消化した。名門・帝拳ジム所属の中野幹士、藤田健児、村田昴、増田陸という日本、アジアの現王者で世界上位ランカーと実戦練習を積んだ。所属ジムの大橋秀行会長(60)は「今回、1つ違うのはスパーリング相手の層の厚さ」と強調した。

8月上旬、帝拳ジムに足を運び「初心に戻る、新しい気持ち」(井上)で13年ぶり、プロ初の出げいこも2度敢行。総スパーリング数は18年10月のフアンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)戦前の調整以来、約7年ぶりとなる計120回に到達する。試合会場のIGアリーナは約1万7000人の満員になる見通し。井上は「うれしい。アフマダリエフが相手ということで注目度も高いと思う」と歓迎した。

前日1日のアフマダリエフの公開練習も動画で確認し「(気が)引き締まった」と警戒した井上。4団体統一王者として世界新記録となる5度目防衛成功を狙う立場が「守るという気持ちはどの試合もない」と挑戦魂も忘れない。あえてKOを意識せず「キャリア最大の強敵」から貪欲に勝利をつかみ取る姿勢を貫いていた。【藤中栄二】

○…1日の公開練習でアフマダリエフが「2年間、対戦が延び延びになった。(井上が)避けていた」と発言したことに、大橋会長が「彼がタパレスに負けたからこうなった。順番でそうなっただけ」と正論で返した。アフマダリエフはWBAスーパー、IBF世界同級統一王者だったが、23年4月にタパレスに判定負けして王座陥落。計画されていた井上との統一戦が消滅した。

○…大橋会長が井上の試合会場にWBC、IBF世界バンタム級王者の中谷を招待したことを明かした。2人が順当に勝ち続ければ、来年5月に無敗対決が計画されており「来たるべき日に備えて見てもらうように(中谷の)家族と村野会長も招待しました」。中谷の来場に井上は「気にはしない。ただ着々とその日に向けて進んでいっているなというのは感じている」と心境を語った。