木瀬部屋の井上(18)の夢は、ひとり分では足りない。「3人そろって関取にならないと意味がないと思っています」。中日の新序出世披露に臨んだ井上3兄弟の三男は、大きな夢を口にした。兄弟の誰かが先に関取へ上がれば「火が付くと思う」。東幕下32枚目の肥後ノ海(26)、西幕下50枚目の肥後ノ丸(21)に続く弟。189センチ、165キロ。3人の中でもひときわ厚みのある体つきが目立った。
この日、支度部屋では初めて3兄弟がそろった。井上は「新鮮ですよね、違和感しかないです」と話すも、肥後ノ海、肥後ノ丸は弟の存在に「刺激しかない」と口をそろえる。井上は兄を追いながら、兄の背中も押していく。3兄弟の距離が、また少し変わった。
鳥取城北高では主将を務め、全国高校総体団体優勝に貢献。それでも、プロの世界は違い、前相撲を終え「立ち合いの重みが全然違うので、一番の疲れが半端ないです」と驚く。関取衆へのあいさつにも「空気感が重いですよね」。
父は時津風部屋の元力士。井上は「ずっと父を目標にやってきたので」と話し、兄2人と同じように、今も毎日電話で助言を受ける。父の言葉を受けながら、3兄弟は同じ部屋で上を目指す。3兄弟関取となれば井筒3兄弟以来、史上2組目。遠い話に聞こえる夢を、井上は家族の約束のように話した。【山田遼太郎】


