今場所大活躍の東前頭筆頭の琴勇輝(24=佐渡ケ嶽)が、勝ち越しに王手をかけた。

 東前頭3枚目の碧山(29=春日野)に押されて俵に足をかけたが、そこから反撃。回転の良い突っ張りで見事に押し返した。「土俵際で我慢できて、その後も先手、先手で良かった。動きがいいんじゃないですか」と満足そうだった。

 7勝目を挙げて、勝ち越しが目前に迫った。今場所の三役陣の勝敗を見るに、勝ち越せば新小結はおろか、新関脇も狙える。もちろん、初めての三賞も…。

 そんな誘惑が目の前にはたくさん散らばっているが「1日1日、しっかり出し切ることだけ頭に入れている。勝ち負けは二の次。せっかく稽古してきたので、出し切る。意識して、自分らしさがなくなるのは良くない」。

 琴勇輝は、ぴしゃりと断ち切った。