東京・江東区内への転居が決まっている大相撲の貴乃花部屋が１６日、東京・中野新橋の部屋では最後となる稽古を行った。

　貴乃花親方（４３＝元横綱）と幕内貴ノ岩、十両佐藤は所用のため不在だったが、幕下以下の若い衆が早朝５時半から約２時間、汗を流し稽古納めとなった。

　現在の貴乃花部屋は、元大関貴ノ花の先代師匠（故人）が８２年（昭５７）２月に「藤島部屋」として創設した。９３年２月には二子山部屋と合併し、新たな「二子山部屋」が誕生。貴乃花、若乃花の兄弟横綱に大関貴ノ浪、平幕優勝の貴闘力、最多金星獲得の安芸乃島ら、一時は幕内１０人を含む力士総勢５０人を超す、番付上も人気でも角界をけん引する部屋だった。

　その後、０４年２月１日付で、一代年寄で現師匠の貴乃花が部屋を継承。貴ノ浪引退後は、関取不在の歳月もあったが、現在は関取２人を含め力士総勢１２人で構成される。

　先代師匠の助言もあり貴乃花親方は、かねて両国国技館に近い土地への転居を模索していたが、このほど江東区内への部屋移転が決定した。栄光に彩られた、足かけ３５年にわたる中野新橋での足跡にひとまずピリオドを打ち、心機一転、新天地で新たな船出を切る。