西前頭2枚目宝富士(29=伊勢ケ浜)が、賜杯争いから1歩後退した。小結高安(26=田子ノ浦)との2敗対決は、立ち合いから得意と逆の右四つで組む想定外の展開に。すかさず巻き替えを狙ったが、そこに落とし穴が待っていた。

 左腕をねじ込んだ瞬間、高安に振り回されると、粘りもむなしく土俵にゴロリ。「たぶんあれ、狙っていたんじゃないですかねえ…。いつもの巻き替えは良い方向に出るけど、逆に悪い方向に出てしまった」。取組直後のテレビ中継で、高安が狙っていたことを知ると「やっぱりな。やられた。完敗です。クッソ~」と悔しがった。

 兄弟子の日馬富士(32)ら4人を1差で追う展開となったが、自己最速タイの10日目で勝ち越しを決めるなど好調はキープしている。「まあ、しょうがないですよ」と切り替えると、注目されることを嫌っていたこともあり「これで注目されないので、また明日から頑張ります」と笑わせた。