平幕勢(30=伊勢ノ海)が横綱稀勢の里から16度目の対戦で初白星を挙げた。

 流れの中で横綱得意の左差しを許したが、右で打った小手投げが決まった。

 支度部屋に戻ると「うわ~、初めて勝てたのがうれしい」。13年春場所10日目に当時大関だった稀勢の里に初顔合わせで敗れて以来、どうしても崩せなかった壁を破った。最後の小手投げは、今年の春場所で痛めた右腕で放った。今も上腕部内側の筋が切れており、外側の筋肉だけに頼っている。「以前よりも力は入りませんねえ」と苦笑いするが、勝負を決めた場面を「左を差されたのが嫌で、それを振り払おうという感じでした」と振り返っていた。