入幕2場所目で西前頭6枚目の阿武咲(21=阿武松)が「全勝ストッパー」役を果たした。

 横綱白鵬(32=宮城野)とともに、ここまで7戦全勝の東前頭8枚目の碧山(31=春日野)と対戦。191センチ、195キロの巨漢目がけて突き押しから、左を差して攻勢。その左ははね上げられ、すっぽ抜けたが、構わず体を預けるように押し出した。

 会心の押し相撲を「しっかり落ち着いてた。いつも通り自然体で」と振り返り、注意したポイントは「(体が)起きないように」と話すように、取組前の備えも十分のようだった。全勝ストッパーには「そんな意識はなかった」と余計なことは頭に入れずに臨んだ。

 先場所は新入幕で10勝を挙げ三賞(敢闘賞)を受賞した。今場所は8枚も番付が上がり、対戦相手の力量も上がっているが、折り返しの8日目を終えての6勝(2敗)は、先場所の5勝を上回る。気後れすることもなさそうな性格で、残りの星次第では来場所にも実現する横綱、大関戦が楽しみなホープだ。「1日1番、その日その日を一生懸命に取るだけで、やることは変わらない」という後半戦での白星を積み重ねたいところだ。