日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会の北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は20日、東京・両国国技館での臨時会合後、横綱白鵬関の取り口に異例ともいえる苦言を呈した。

 北村委員長はサポーターを分厚く施した肘をぶつけるようなかち上げ、激しい張り手などを多用する白鵬関に対し「15日間のうち10日以上もある。横綱相撲とは到底言えない。美しくない、見たくない」といった投書が多数寄せられていると明言。その上で「白鵬自身の自覚をどう促すか。(従来の会合で)協会としても工夫、努力をしてほしいとの意見があった」と申し入れた。

 2010年の朝青龍に次ぎ、横綱が2人続けて不祥事で引退した。昇進を推薦する横審に品格を見極める責任を問われ、北村委員長は「日常どういう生活をしているか、稽古場でどうであるか。委員会自体が調査するわけにはいかない。その力量もないし、権限もない」と持論を展開。さらに「品性については協会が判断した上で諮問しており、それを前提としている」と協会の判断を重視する考えを強調した。