日本相撲協会は20日、東京都墨田区の両国国技館で開いた臨時理事会で、元横綱日馬富士関の暴行事件を巡る処分を協議し、事件があった酒席に同席していた横綱白鵬と横綱鶴竜にはともに来年1月の給与を不支給とするなど報酬減額処分を科した。元日馬富士関の師匠だった伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は監督責任を取って理事を辞任し、役員待遇委員に降格となった。巡業部長の貴乃花親方(元横綱)への処分は、協会危機管理委員会の聴取が終わっていないため先送りした。

 協会の八角理事長(元横綱北勝海)は自らの処分について、残り任期3カ月の報酬を全額返上するとした。同理事長は「早期に解決するよう全力で取り組んできたが、まだ決着がついていないことの責任を痛感している」と述べた。

 白鵬と鶴竜については、同日午前に開かれた協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)の北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)の厳重注意との進言を受けて処分を決定。元日馬富士関についても、横審の引退勧告相当との提言を確認した。

 危機管理委の高野利雄委員長(元名古屋高検検事長)は記者会見で調査結果報告書を発表。「これで終わりと考える」と最終報告と位置付けた。

 報告書で、被害者の平幕貴ノ岩関の師匠でもある貴乃花親方は、秋巡業中の事件ながら報告義務を怠ったと指摘。貴ノ岩関聴取への協力を何度も拒否したことも問題視した。協会は28日の臨時理事会と評議員会で処分を協議する。

 高野委員長は貴ノ岩関の聴取を19日に行ったことを明らかにした。報告書によると、貴ノ岩は傷害を負わされるような理由は全くないものと考えていると証言し、元日馬富士関の引退を望んでいたわけではないと述べたという。貴ノ岩には1月の初場所を全休しても3月の春場所は十両で臨める救済措置をとる。

 協会は再発防止策も協議し、相撲協会OBや外部有識者、親方衆らによる「再発防止検討委員会」を早ければ28日までに設置する方針を示した。

 元日馬富士関については、既に引退しているため処分はしない。11日に傷害容疑で書類送検されており、捜査関係者によると鳥取地検は年内にも略式起訴する方向で処分を検討している。