大相撲の立呼出、拓郎(63=春日野)が18日、出身地の札幌市で行われた夏巡業に参加した。

夏巡業では札幌市開催が恒例だが、来年は20年東京オリンピック(五輪)の影響により夏巡業が行われない予定で、21年2月に定年を迎える拓郎にとっては最後の地元巡業となる見通し。「地元札幌で仕事をするのは最後で、今日も地元の人に声をかけてもらえるのがうれしかった。再来年の2月まで、平常心で仕事を全うしたい」と話した。

元横綱北の湖が在籍していた三保ケ関部屋に入門し、75年春場所が初土俵。体格基準を満たせず、希望していた力士にはなれなかったが、充実した呼出人生だったという。「45年間、うれしいことも悲しいこともたくさんあった。横綱に『時間です』とタオルを渡して深々と頭を下げてもらったことがうれしかった。兄弟のように仲が良かった北天佑関が亡くなったことは悲しかったけど、家族ぐるみの付き合いをしてもらっていい思い出として残っている」。

北の湖や千代の富士ら偉大な横綱を輩出した北海道だが、近年は当時の隆盛とは程遠い。「道産子関取に頑張っていただいて、できることならいつか結びの一番で北海道出身と読み上げたい」と、柔和な笑顔で期待した。【佐藤礼征】