土俵復帰4場所目も、優勝から見放された。大関経験者で序二段まで陥落後、順調に番付を上げてきた東幕下27枚目の照ノ富士(27=伊勢ケ浜)が、土つかずの6連勝で迎えた今場所最後の一番で敗れ、3場所連続の6勝1敗で終えた。

幕下の全勝が2人に絞られ、優勝をかけた幕内経験者で西幕下46枚目・千代の国(29=九重)との一番。突き放しで来るのは分かっていた上で「そう簡単には押せない。我慢して我慢して、組んできた時にまわしを取って出ようと思った」と冷静を言い聞かせていた。だが、千代の国得意の突っ張りが顔に入ったあたりで「張られて熱くなって冷静さがなくなった。途中でイラッと来てしまって。押される感覚はなかったから、もっと冷静にやれば良かった。自分でミスした、っていうか…」。最後は抱えた左がスッポリと抜けたところを突かれ、押し出しで敗れた。取り口を振り返りながら、悔やみきれない表情だった。

序二段で土俵復帰した今年3月の春場所は、本割で7戦全勝としながら優勝決定戦で敗れた。夏場所、名古屋場所も6勝1敗で今場所も。この日、勝って7戦全勝なら幕下5枚目以内が予想されたが、1敗を喫したことで10枚目前後が予想される。九州場所での関取復帰には7戦全勝が求められそうなだけに、痛い黒星といえそう。それでも「お互いに(幕内に)戻ろうとしているので仕方ない。弱いやつに負けたわけじゃないからいいか」と気を取り直すように話していた。