MBSテレビ「よんチャンTV」を見ていた。例の「強くてこわい日本」に関する続報が何かないかという気持ちだった。
その日、目当ての情報は放送されなかった。そのかわり「思わぬ拾い物」といえば失礼になるかもしれないが、「これはおもしろい。見てよかった」という発見があった。
それは「昼飲みサンにはワケがある」というロケ企画。大阪の飲み屋で真っ昼間から酒を楽しむ人、グループに話を聞くというコーナーだ。
記者も昼間から安い店で食べたり、飲んだりするのが好きで、梅田界隈(かいわい)によく出かける(仕事のない日です)。多くの勤め人が仕事をしている時間に飲む楽しさ、背徳感はなんともいえない。アルコールが入っておしゃべりが滑らかになった人から飛び出すコメントは、見る側をもほっこりさせてくれる。
そんな状況で抜群の存在感を発揮するのが、藤林温子アナウンサー。2015年入社というから、そろそろ「若手」から「中堅」へと差しかかる世代ではあるが、そんな世間一般の常識を超越するキャラクターが素晴らしい。
酒を飲むおじさんグループの中に「すっ」と入り込み、違和感をまるで感じさせない。まるで何年も以前から友達であったかのような、フレンドリーな空気を築いてしまう。彼女自身、無類の酒好き(らしい)ということもあるのだろうが、親しげに会話を重ね「えっ、そうなんですか?」と驚いたり。ひとつひとつのリアクションが実に自然で、酒飲み相手だけでなく、視聴者との距離も縮めてしまう。
思い起こせば、新人アナの頃から個性は光っていた。ラジオ番組内の経済ニュースで「東京商工リサーチ」と読むべきところ「東京商『え』リサーチ」と言ってしまったのは、今もはっきり覚えている。失敗をしても持ち前の明るさを忘れることなく、元気な声でその後も番組出演を続けていた。
MBSラジオ「ヤマヒロのぴかっとモーニング」(木曜)では、トイレの便器にお尻がハマってしまい、身動きできなくなるアクシデントを伝え、リスナーを爆笑させた。
かと思えば、自らの不注意から「MBSヤングタウン」の収録に遅刻してしまい、メインパーソナリティー笑福亭鶴瓶に泣きながら謝罪したこともあった。
行く先々で「まさか」の出来事と遭遇する「引きの強さ」は、もとから抜群だった。少々のミスがあっても、それが許されてしまうキャラの持ち主。「愛され力」が強いのだろう。
誰が呼んだか「MBSの最終兵器」。近年、同局のアナウンサーといえば、武川智美アナの暴れっぷりが目を引いていたが、藤林アナも侮れないぞ。【三宅敏】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミへキタへ~」)




