宝塚 ~ 朗らかに

星組新トップ 本拠お披露目で大羽根背負う/礼真琴

星組新トップ礼真琴が、相手娘役に迎えた舞空瞳との新コンビで、本拠お披露目となる「眩耀(げんよう)の谷 ~舞い降りた新星~」「Ray -星の光線-」に臨んでいる。大羽根の重みを実感しながら、第1歩を踏み出した。兵庫・宝塚大劇場で3月9日まで。東京宝塚劇場は3月27日~5月3日。

新トップとして意気込みを語る礼真琴(撮影・上田博志)
新トップとして意気込みを語る礼真琴(撮影・上田博志)

大羽根を背負い、初めて本拠地のセンターに立った。稽古中は「焦っている自分に驚き」「なんでこんなに振り、歌を、覚えられないんだろう」「私の頭よ、よみがえれ~」と言っていたが、そうとは思えない堂々たる船出だった。

「(2番手時代と比べ)衣装部さんにも『トップの羽根はこんなもんちゃうで』と言われていて(笑い)。3時間、頑張った最後に、この重みを背負うのは、羽根をただ背負うだけじゃない何かが感じられます」

オリジナルの今作、芝居は紀元前800年頃の中国が舞台。礼は、流浪の民「■(ぶん)族」の攻略を命じられ、信じた武将の裏の顔を知り、悩む青年貴族を演じる。「すごくもがき苦しむ。でも、皆がそれぞれ闘い、真実の光を求めて進む。彼の、皆の成長物語です」。トップとして新生星組を率いる自身の立場から、共感する部分も多い。

昨年末、相手娘役に迎えた“首席コンビ”の舞空瞳とともに「ロックオペラ モーツァルト」を上演し、トップ初主演作は終えた。

「私が歌っていて、皆が踊る場面や、皆が振り付けている場面を見ていることもある。その過程が見え、すごく楽しくて。最下級生まで、すごく前向きに取り組もうとしている」

後輩、仲間を頼もしくも感じ「1人1人が、心から自由に楽しめるような作品づくりを」と心がける。

宝塚音楽学校時代から首席。各組に主力がそろう95期でも先陣を切ってトップに就いた。リーダーシップには「『俺についてこい』と言えればカッコイイですけど、まだまだ…」と言うが、自覚は備わっている。

「みんなも、私の少しの変化を感じ取ってくれる。稽古場でのあり方、発言も。ものすごい影響力がある。しっかりしていきたい」

稽古場から「見られる」ことも強く意識する。

「歌うこと、踊ること、演じることが好き。自分の芸事へ向かう姿勢を見てもらって。日頃から、観察力が大事だと言っています。自ら何かを得ようとする力を身につけていくことが(成長の)近道だと思う」

下級生時代、つねに、自分と先輩は「何が」「どこが」違うのか、考えてきた。それを求めつつも「でも、稽古場とか、自分で言っておきながら『見ないで』って思うこともあります(笑い)」。戸惑いもある。

バトンを受けた前トップ紅ゆずるは、支えのひとつ。悩み、壁を感じるたび、相談する。今、稽古場には、紅が着ていたジャージーがあふれているそうだ。

「さゆみさん(紅)が着ていたジャージーを下級生にあげたので、おけいこ場は下級生の背中に『ゆずる』『ゆずる』『ゆずる』…。引き継いだ下級生たちには、まさしく『紅イズム』が! ワクワクしますよね、うれしいですよね」

ショーは「めまぐるしい流れ」といい、スピーディーな展開。重厚感あるロック調から、しっとり系、王道の黒えんびもある。下級生時代から注目を集めた実力派の“新星”トップは輝きを増す。【村上久美子】

◆幻想歌舞録「眩耀(げんよう)の谷 ~舞い降りた新星~」(作・演出・振付=謝珠栄) 紀元前の中国大陸が舞台。西方からきた流浪の民「■(ぶん)族」は、神「瑠璃瑠(ルリル)」の使いに導かれ、亜里(アリ)という地にたどり着き、小国「■(ぶん)」を築く。ところが、勢力を拡大してきた周国に首領を討たれ、統治下に置かれる。この地に新しく大夫として赴任した丹礼真を中心に描く歴史ファンタジー。

◆Show Stars「Ray -星の光線-」(作・演出=中村一徳) 光、光線、熱線を意味するRay。新コンビの本拠お披露目ショーは「新しい時代への始まり」を描く。

☆礼真琴(れい・まこと)12月2日、東京都生まれ。09年入団。星組配属。13年「ロミオとジュリエット」新人公演で初主演。歌、ダンス、芝居と高レベルで3拍子そろい、14年全国ツアー「風と共に去りぬ」でヒロインも。昨秋に星組トップ。同末に「ロックオペラ モーツァルト」で、トップ初主演作。身長170センチ。愛称「まこっつぁん」「こと」「こっちゃん」。

※■は、さんずいに文

夢の舞台を創り続けて100年あまり。時代とともにスターを生み、話題作を手掛けてきた宝塚歌劇団。華やかなステージを作り続ける裏側で日々、厳しいけいこと競争の中で切磋琢磨を続けている夕カラジェンヌの横顔を伝えます。

おすすめ情報PR

芸能ニュースランキング