NHKの報道番組「クローズアップ現代」などでやらせがあったと指摘されている問題で、放送の中で「出家詐欺ブローカーの事務所」として紹介された部屋を占有する大阪府内の40代会社経営男性Bさんが3日、大阪市内にある同部屋内で会見した。当該の部屋は「ブローカー業務とは一切、関係ない」と話した。

 Bさんの証言によれば、少なくとも、番組で「ブローカーの事務所」とされた部屋は無関係で、番組で架空の事務所が作り上げられていたことになる。

 Bさんは13年2月ごろ、同部屋を事業に使おうと契約。同年夏頃から健康食品の通販を始めたが、事業は軌道に乗らず頓挫。そのまま「人は誰も住んでいない借りているだけの状態」になっていたという。

 今回、やらせ疑惑が浮上している番組は昨年5月に全国で、同4月には関西地区で放送されていた出家詐欺を扱った番組。多重債務者が戸籍を「法名」へ変更して別人になりすまし、ローンや融資などをだまし取るなどする詐欺を取り上げ、同3月か4月ごろに、同部屋で収録された。

 番組内では、NHK大阪放送局の社会部記者が、出家詐欺のブローカーの事務所を突き止めたとしてインタビューし、同所を訪ねてきた多重債務者とブローカーの会話が放送されている。

 しかし今月1日、番組で「ブローカー」とされた大阪府の男性Aさん(50)が会見。「私はブローカーではない。演技をしただけ」と主張し、NHKに訂正報道を求めた。

 番組には、Aさんの知人男性Cさんが「多重債務者」として登場しており、AさんはCさんに「50万円の借入」があり「依頼を断れなかった」と告白している。

 現在、NHKが事実関係を確認中だが、今回の証言で、少なくとも、収録に使われた部屋がブローカーの事務所ではなかったことになる。

 また、部屋の占有者であるBさんは、番組に「多重債務者」として出演したCさんとは「4~5年前からのつきあい」で、共同経営で健康食品事業を始めた13年夏ごろから、番組が収録された後の昨年8月ごろまで、部屋の鍵を渡していたという。

 BさんはNHK記者とも、Cさんを通じて知り合い、複数回、飲食をともにしたことがあり、記者と「多重債務者」のCさんは「相当に古くからつきあいがあるんだろうなと感じるほど、親密だった」と、2人の関係性を語った。

 Bさんは一方で、部屋が番組収録に使われたことは、今年3月に週刊誌の報道を受けるまで「知らなかった」といい、週刊誌記者からの問い合わせを受け、即座にCさんと連絡を取った。その際、Cさんは「部屋を撮影に使った」と認めたといい、記者からの依頼を受けてのことか否かには言及しなかった。

 また、やらせ疑惑が発覚後、NHKの報道局員からも、Bさんのもとへ連絡があり「ご迷惑をおかけしてすいません」といった内容の電話があったという。

 部屋の占有者Bさんは、旧知の「多重債務者」Cさんについて「多重債務者だとの話は聞いたことがない」とし、今回の件に関してCさんから「黙っておいてほしいなどと頼まれたことは一切ない」。今回、記者会見を開いた経緯には「(放送を確認した取材陣から)順次、取材の申し込みがあり、その都度対応はできないから」と説明した。