世界的な演出家蜷川幸雄さんが同日、80歳で死去したことを受け、「血の婚礼」などデビュー時から数多くの蜷川作品に出演した寺島しのぶ(43)がコメントを発表した。

 寺島は「正直何から話していいのか分かりません。ただただ涙が止まりません」としながら、デビュー当時からの蜷川との思い出について「19歳で主役に抜てきしていただいたこと、そこで容赦なく灰皿と靴と罵声が飛んできたこと。私も生意気だったからつっかかっていったこと。『お前はブスだから、誰もが黙る演技力を身につけろ』と言われたこと、『土着に生きろ』と言われたこと、要求した芝居に答えられず『お前なんて死んじゃえ』と言いながら目の前で胃薬を飲まれたこと。それでもベルリンで賞を獲ったとき」とつづった。

 2010年に寺島がベルリン国際映画祭最優秀女優賞を受賞した際には、カーテンコールを授賞式で演出してもらったという。「その舞台の千秋楽で『もう、お前はめんどくさいから、たまに会う愛人でいいからしばらくはないな』と言われたこと。私も何だか『これが最後になるかも』と自覚していたこと、80歳の誕生日にさいたまにプレゼントを持っていって1番に渡せたこと。あのとき、私だって認識してくれてたかなぁ。認識してくれてなくてもいい。今ある私は完璧にあなたのおかげです。冥福なんてお祈りしません。だってまだまだやりたいものを、また違う世界でやるのでしょうから」とつづり、「いただいた言葉は私の細胞に植え込んであります。書いている間も涙で字が見えません」と悲しみにくれる様子を伝えた。