12日に亡くなった演出家蜷川幸雄さん(享年80)の葬儀、告別式が16日、東京・青山葬儀所で営まれ、芸能人、演劇関係者、著名人、一般のファン合わせて約1400人が参列した。蜷川さんに見いだされてデビューした藤原竜也(34)ら若手俳優がひつぎを担ぎ、蜷川さんの遺志を引き継いでいくことを誓った。

 午後3時、出棺の時がやってきた。藤原、小栗旬(33)綾野剛(34)松坂桃李(27)ら若手俳優がひつぎを担いで、蜷川さんを見送った。

 蜷川さんは多くの若手を発掘し、育ててきた。俳優たちは、激しい叱咤(しった)とともに、創造することの苦しさ、素晴らしさ、情熱、愛情をたっぷり受けた。あつれきが生まれることもあったが、皆、根底にある蜷川さんの愛情は分かっていた。

 蜷川さんに見いだされ、97年の「身毒丸」でデビューした藤原は、弔辞で「19年間、苦しくも…、ほぼ憎しみでしかないですけど」と苦笑しながらも「最高の演劇人生をありがとうございました」と大泣きした。小栗も「嫌われて、僕も勝手に嫌って、仲直りしてもらって、やっと一緒に(次回作を)できると思っていたのに悔しいです」と呼び掛けた。

 藤原は、蜷川さんが亡くなった後、1人で、昨年出演した舞台「ハムレット」の稽古時に録音した音源を聞き直した。厳しいダメ出しの数々だったが、蜷川さんの「アジアの小さな島国の、ちっちゃな俳優になるな」という言葉に奮い立たされたという。

 藤原は出棺後「世界に目を向けて、僕らより何歩も、何十メートルも先に行っていた方。蜷川さんの遺志を引き継いで、僕たちに何ができるかを考えていかないといけない」と誓った。蜷川スピリットは、残された俳優たちに確実に受け継がれていく。

 蜷川さんはこの日、都内の斎場で荼毘(だび)に付された。