落語家林家正蔵(53)が劇団KAKUTAの公演「愚図」(10~20日、東京・東池袋のあうるすぽっと)に主演する。俳優として山田洋次監督の映画「家族はつらいよ」などに出演したが、舞台の主演は初めて。
KAKUTAの公演は、2年前に鶴屋南北戯曲賞受賞作「痕跡」で初めて見たという。正蔵は「終演後しばらく立ち上がれなかった。KAKUTAの芝居は普通の人たちの間に生じるひずみ、ゆがみ、トラブルを描いているけれど、見終わった後に気持ちがいい。僕は『生きているって、まんざら悪くないよね。また明日もある』という落語をやりたいと思ってるんですが、そこに通じる気がします」。
昨年、KAKUTAの作・演出の桑原裕子(40)からの出演依頼に「やらせてください」と喜んだ直後、「2時間も舞台でやり続けることができるのか」と不安もあったという。
「愚図」は生き方が下手な人たちの姿を描き、正蔵はスーパーのマネジャー役。「妻といざこざがあって、スーパーの売れ残り弁当を公園で売ったりする男。役作りで夜出掛けて、コンビニで弁当を買い、公園のベンチで食べたりしているけど、職質を受けたり、かみさんに変な疑いを掛けられた」と苦笑い。ポスター撮りはモジャモジャヘアで臨み、「お父さん(初代林家三平)にそっくり」と言われたという。
来年3月も山田監督の演出で東京・日生劇場「マリウス」に出演するなど、舞台出演に意欲を見せる。「舞台に出た時、正蔵ではなく、役として登場できるかがテーマかな。KAKUTAを見ている時が幸せなので、客としてこの舞台を見たかったな」と話した。



