吉本新喜劇初の女座長に就き、大阪・なんばグランド花月で、新座長就任公演初日を迎えた酒井藍(30)が、1回目の公演を終え、大阪市内で会見した。

 「座長の線がここに有るとしたら、1歩踏み出したというより、やっと線に乗った感じ。『座長になった~っ!』って感じはまったくないです。口上の間も手が震えて、ええこと言うてくれてんねやろけど、何言うてくれてたんか、ほぼ覚えてないです」

 体重100キロ超え、スリーサイズは上から「オール110センチ」の大きな体を折り曲げて、申し訳なさそうに座長デビューを振り返った。この日は初日上演前に、内場勝則(56)辻本茂雄(52)川畑泰史(50)すっちー(45)の4座長とともに口上も行い、先輩方の祝辞も耳に入らなかったそうだ。

 前日は深夜までけいこを行い「ベッドに入ったのは朝5時。寝なあかんと思っても寝られず、(最近はまっている)台湾の動画見てたら、1時間半が過ぎてた」そうだ。

 めずらしく食事ものどが通らなかったといい「朝は、はちみつレモン1本と、東京バナナ2個とフィナンシェ(焼き菓子)4個だけでした」とか。口上を終え、初日の幕が開くと「すごく股間がムズムズして、変な感じがしてました」と、緊張の座長デビューを思い起こした。

 上演中には「移動する場所忘れて、川畑座長に手を引っ張ってもらった」と言いつつも、「ブーブー~」の定番フレーズは堂々と披露。ブタのまねも演じてみせ、爆笑の連続だった。

 ネタの中で「結婚資金で300万円ためている」とのくだりがあり、これについては「願望です…。実際は0円です…」と照れた。

 座長就任で給料アップは決まっているものの「先輩方から『そないに(そんなに上昇は)ないで』と言われてます。25倍ぐらいになったら…」とも。座長就任が決まった当時、ダイエットを約束し「タクシーは乗らずに歩く」と誓っていたはずだったが、貯金の話題になると「すぐタクシーに乗るし、全然たまらないですね」とポロリ。ダイエット公約はまだ果たせていないようだ。

 ただし、結婚資金「300万円」はネタでも、結婚願望は本物。「座長就任が決まって、ちびっ子とか、同世代、年下も年上も女子、おじさま、おばさまから祝福してもらって、手紙もたくさんいただくんですが、同世代男子だけはない! NO求愛です!」。もともと、愛くるしいキャラクター、素直な性格で座員やファンからも愛される酒井は、座長就任でその人気に拍車がかかっているものの、なぜか男性ウケだけは悪いと嘆いた。

 座長就任にあたっては「応援してくれるお客様に感謝の気持ちを届けられる芝居を続けていきたい」と言い、この日も「最後に拍手をもらったので、感謝の気持ちはちょっとは伝えられたかな」とニッコリ。楽屋では、浅香あき恵ら女性の先輩が熱心に世話をしてくれたそうで「あき恵姉さんは、あれこれしてくれすぎて、私のスマホにコーヒーこぼしてくれるほどでした」と笑いながら、先輩や仲間へ感謝していた。

 座長就任記念公演はなんばグランド花月で31日まで。また、この日の公演の模様や企画ロケを含め、MBSテレビで2時間半特番「よしもと新喜劇 酒井藍座長就任記念SP」(29日午後0時54分)として放送される。