タックスヘイブン(租税回避地)が絡む投資などの経済活動に米人気歌手マドンナら多くの著名人が関わっていたことが、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手した内部資料「パラダイス文書」で6日、分かった。金融商品への投資や豪華ヨット保有などさまざまだが、セレブも租税回避地を広く利用している実態がうかがえる。

 ICIJによると、マドンナはバミューダの医薬品関連会社の株を保有。ロックバンドU2のボーカルで貧困撲滅やアフリカ救済に取り組む社会活動家としても知られるボノは、マルタにある企業の株を持っていた。ボノの広報担当者は「積極的な投資ではない。企業は既に閉鎖された」と答えた。

 起業家も多く、ネット競売大手イーベイを設立したピエール・オミディア氏はケイマンの金融商品に投資。豪華ヨットを租税回避地に持っていたのは米マイクロソフト共同創業者のポール・アレン氏で、ほかに潜水艇も所有していた。米著名投資家ジョージ・ソロス氏の名前もあった。

 リトアニア選出の欧州議会議員で、トランプゲーム・ポーカーのプロでもあるアンタナス・グオガ氏もマン島の企業に投資していた。

 著名人以外でも、パラダイス文書には犬のトリマー、水面を滑るウエークボード指導員、配管工などさまざまな職種の人が載っていた。