吉岡里帆(25)が連続ドラマに初主演するTBS系「きみが心に棲みついた」(火曜午後10時)が16日、スタートする。

 16年10月期の「逃げるは恥だが役に立つ」、17年1月期の「カルテット」など、男女の恋愛を印象的に描き、クセになるドラマを送り出すことで注目されるこの枠だが、1話を見て、また強烈なドラマが飛び出してきた印象だ。

 その先頭に立って突っ走るのが吉岡だ。13日に都内のTBSで行われた制作発表で、瀬戸朝香(41)が語った言葉が、そのことを端的に、インパクトのある形で言い表している。

 瀬戸 1話を見て…とにかく体当たりで頑張っているのが、すごく伝わってきた。ドラマにありがちな、雨にぬれる、転ぶ、露出がある…というのが、全部入っているんですよ。本当に里帆ちゃんの目線に引き込まれちゃって…ここまで、すばらしい作品に仕上がったことに驚いている。

 吉岡演じる小川今日子は、自己評価が低く、人前で焦って挙動不審になってしまい“キョドコ”と呼ばれてきた。そんなキョドコが、画面から飛び出してくるように感じた。人生初の合コンで出会った、桐谷健太(37)演じる漫画誌編集者の吉崎幸次郎に厳しい言葉を投げかけられ、自分を変えてくれると思い込み交際を申し込むなど“痛い女”と感じたり「こんな子、いる?」と思う人もいるかも知れない。そんなキョドコが、吉崎を追いかける中で「ストーカーだと思われる」と内心で吐露するセリフなどで、視聴者目線から離れないバランスは取られている印象だ。

 瀬戸が口にした「露出」は早くも1話に出てくる。キョドコの大学時代の回想シーンでストリップが登場する。桐谷は「キョドコが、みんなの前でストリップショーみたいなことをしてしまうところが心が痛い…キツいなぁという印象」と語った。

 ストリップショーをキョドコに強いたり、DVに近い行為までしてトラウマを抱えさせた、先輩で元交際相手の星名漣を演じる向井理(35)の演技に、恐怖を感じる女性も少なくないのではないだろうか? 吉岡は「どんなに星名さんに痛めつけられても大丈夫…個性が過ぎる現場。どのシーンを撮っていても楽しい」と言うが、星名に追い込まれる場面は胸に痛みを覚えた。向井は「僕も今まで、あまりやったことのないようなハードなというか、ひどいドSな役をやっています。火曜10時は非常に話題になる変化球を投げる枠。それを超える、魔球を投げるつもりでやらせてもらっています」と語った。

 吉崎に心引かれる一方、勤務先の下着メーカーに、買収先の商社から出向されてきた星名が現れて恐怖する…キョドコの揺れっぱなしの心が1話の全編に、これでもかとばかりに詰め込まれている。桐谷が「斬新で攻めている。今まで見たことのないドラマ」と語るように、次から次へと刺激的な出来事が起こる1話は、内容は盛りだくさんだ。

 吉岡は「(キョドコに)イライラしていただいたり、応援していただいたり、日本中の皆さんの心を、揺さぶっていきたい。この作品に全てをかけたい。必ず面白いものにしよう、来週も見たいと思ってもらえるドラマにしようと、心に決めています。猪突(ちょとつ)猛進に、誠実に、真っすぐ、向き合っていきたいと思っています」と熱く抱負を語った。【村上幸将】