夏木マリ(65)が1日、都内で、主演映画「生きる街」(榊英雄監督、3月3日公開)の完成披露舞台あいさつに出席した。

 夏木は、約10年ぶりに映画に主演する。

 東日本大震災の被害を受けた街で、津波に流され帰らない夫を待つ妻を演じる。同年代の女性という役柄に、「普段は妖怪の役とかが多いから、普通のおばさんを演じてみたかった」と笑顔を見せた。

 撮影は震災の爪痕が色濃く残る、宮城・石巻市で2週間に渡って行われた。夏木は「浜の方には何もないけれど、道を隔てた丘の方には家が残っていて。風景の落差はショッキングでした」と明かし、「復興支援にも(地域ごとに)落差があって、知らないこともありました」と振り返った。

 映画では方言での演技に挑戦している。夏木は「時間がかかりました。地元の方がストーリーに入り込めないと嫌だと思ったので」と苦労を話した。ともに登壇した榊英雄監督(47)から「完璧でしたよ」と称賛されると、安心した表情を見せた。

 最後に「震災を経験していなくても、家族に電話してみよう、ふるさとに帰ろうと思わせてくれる映画です。愛について考えさせられる2週間でした」と映画をアピールした。