THE ALFEEの3人がそろって声優に挑戦し、先日、その披露試写会が行われた。

 作品はフランスの巨匠リュック・ベッソン監督がメガホンを取り、同国の伝説的コミックを原作にしたSF映画「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」(3月公開)だ。演じたのは宇宙の情報屋「ドーガン=ダギーズ」の3人組で、「45年ステージを共にしてきたからスムーズにかけ合いができた」(桜井賢)の言葉通り、「新人」とは思えないユーモラスなやりとりが笑いを誘った。

 初体験に掛けて、トーク・コーナーでは無名時代の体験談が次々に飛び出した。印象的だったのは「食」にまつわるエピソードだ。

 坂崎幸之助(63)が明かしたのは所ジョージ(63)の「オールナイト・ニッポン」に出ていた頃の70年代後半の話だ。同い年だが、所は当時から売れっ子で「格差」は大きかった。金欠の坂崎は所の懐を頼りにするところがあった。

 「番組が終わるといつもおなかがすいていて、当時はコンビニとかなかったんですけど、青山に1軒だけ深夜スーパーがあったんですよ。所が『今日は肉食べよう!』ってそこで大きな肉買って、2人で焼いて食べたのを今でもよく覚えています。味付けはしょうゆだけ。所も『あのときの肉が一番おいしかったな』とよく言いますね」

 高見沢俊彦(63)は逆に所に無視されたエピソードを明かす。

 「青山通りの立ち食いでソバを食べていたら、車でゆっくり走る所としっかり目が合ったのね。でも声を掛けてくれるでもなく、そのままスーッと行っちゃった。あれなんなんだろうね」

 車から見える屋台風立ち食いの風景が頭に浮かぶ。高見沢が当時常食していたのが、かけそばに薬味のネギをてんこ盛りした「ネギソバ」。「お前があんまり惨めったらしく見えたから、所も引いたんだよ」と坂崎が解説した。

 趣向を凝らしたグルメ時代に、しょうゆだけで味付けした肉料理やネギソバがかえっておいしそうに思えたのは私だけだろうか。食の大国フランス映画の披露試写会でのB級グルメ談。THE ALFEEらしくエスプリが効いていた。