日本テレビ系「笑点」の大喜利メンバー、司会者で知られた落語芸術協会会長の桂歌丸(かつら・うたまる)さん(本名椎名巌=しいな・いわお)が2日午前11時43分、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患のため、横浜市内の病院で死去した。81歳だった。

 歌丸さんは15年12月14日に息苦しさを訴え体調を崩したため、検査したところ「このままでは肺炎になる」と診断され、入院した。当初は1週間ほどで退院し、元日の東京・新宿末広亭での正月初席で高座復帰する予定だった。歌丸さんは持病の肺気腫を患っており、8年前にも肺炎で入院したことがある。

 近年は入退院を繰り返していた。08年に腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症を手術、14年に閉塞(へいそく)性肺疾患と肋骨(ろっこつ)骨折、15年にはインフルエンザと腸閉塞を患った。16年7月にも腸閉塞(へいそく)で約2週間入院した。

 しかし、高座への意欲が衰えたことはなかった。入院中に東京・新橋演舞場で行われた芸歴65周年記念落語会では、十八番「竹の水仙」を50分にわたって熱演した。また、国立演芸場の16年8月中席で復帰後、同14日の80歳の誕生日には、高座の上で誕生日を祝福され「80歳を折り返し地点として、まっすぐに自分の落語道を進んでいきたい。来年も(三遊亭)円朝ものに挑戦したい」と意欲を語った。