元NHKアナウンサーの有働由美子が10月からキャスターを務める日本テレビ系「news zero」について、最近、ちょっと厳しい声を聞きます。勝手にちょっと課題を考えてみました。

10月1日のスタート当初に10%台と高視聴だったのが、最近はなかなか2桁に届かないという声があるようです。また、報道番組というより情報番組のようだという声も聞きます。

擁護するわけではないのですが、数字については、午後11時開始の番組としては7、8%は決して悪い数字ではないと言えます。9月までの数字とほぼ同レベル。ただ、NHK時代に華々しく活躍したことで、大きな有働効果をイメージした人には、物足りなさがあるのかもしれません。

後者の声については、制作側に、有働の元気で明るいキャラを生かし、視聴者にとってニュースを身近にという意図を感じます。

関係者に聞くと、番組スタッフには女性がかなり多いようです。女性ならではの切り口や構成を念頭においた番組作りにチャレンジしていると感じます。こうした夜の報道番組はキャスターが交代したり、リニューアルすると視聴者がなじむまでに数カ月かかることはよくあります。

ここからが、課題かなと思われる話。後者の声についてです。なじんでもらうだけで数字の大幅アップというわけにはいきません。視聴者が必要とする、また、優先的に届ける必要のある重要なニュースをきちんと伝えるのは最低限の基本。プラスして、伝える側の思いと伝え方もうまく視聴者の気持ちにマッチしないといけません。現状は、うまくマッチしていない部分もあるのかもしれません。

NHKの幹部が先日、有働について「素晴らしいセンスの持ち主。いずれ遠くない日に、見たことも聞いたこともないような新しい有働節を開発すると思う」と語っていました。

有働はフリー転身後、日刊スポーツのインタビューで「(自分の発言が原因で)もし私が刺されれば、刺されたことも、みんなが考えるきっかけになります。たたかれたくないために、発信者がまるくなった時が一番怖い。覚悟を持ってやります」と語っていました。

あえて言うと、今、必要なのは、そんな覚悟を感じる“とがった有働”のような気がします。センスのある有働ですから、きっと近い将来、これまでのイメージと“とがった有働”をうまくミックスした新しい有働節を披露してくれると思います。