心不全のため12日に死去した女優京マチ子さん(享年95)と親しかった石井ふく子プロデューサー(92)が15日、日刊スポーツの取材に応じ、14日に都内で営まれた葬儀の様子などを語り、別れを惜しんだ。

石井さんは京さんが、数カ月前から入院していたと明かすと、亡くなる前日11日に、なぜか気になって病院に見舞いに行ったという。「4月初めに見舞いに行った時はものすごく元気でしたが、1カ月で感じがずいぶん変わっていて驚きました。声を掛けると私の手を探して握ってくれました。握る力が強かったから大丈夫と思ったのですが」。

京さんは翌日、容体悪化。その知らせを聞いて駆けつけた石井さんにみとられて亡くなった。葬儀は親しい知人ら6人で営まれた。

石井さんは「遺影は4月1日に親しい知人が見舞いに行った際に撮った写真でした。とても明るい表情でした。ひつぎの中には愛用の着物や新しい草履、ハワイの友人から届いたお見舞いの手紙、私と京さんが一緒に日本舞踊を踊った時の写真と京さんが使っていた扇子を入れました。棺の中の京さんは化粧をしてとってもきれいでした」と語った。

葬儀の後は、参列した6人で食事をした。「京さんが行きたがっていた日本料理店。ご遺骨と遺影を飾り、京さんの好きだった食べ物を頼みました。ああいう方はもう出てこない。寂しいです」と語った。【中野由喜】