俳優の古谷一行(ふるや・いっこう)さんが8月23日に死去したことが分かった。78歳。今月2日、所属事務所が発表した。

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二枚目然としたたたずまいに三枚目的キャラを包んだところが古谷一行さんの魅力だった。

77年にスタートした「横溝正史シリーズ」(TBS系)の金田一耕助役がそのイメージを決定付けたのは間違いない。髪をかきむしる姿は前年に公開された映画「犬神家の一族」の石坂浩二を模したものだが、推理がひらめく前の「逆立ち」は古谷版のオリジナルだった。

演出の工藤栄一監督が「逆立ちできる?」と思い付き、当時33歳の古谷さんは「ハイッ」と即答した。ユーモラスな金田一のキャラが固まった。土方歳三を演じた連続ドラマ「新選組始末記」も同時スタートだったため、それぞれの撮影所がある東京と京都の往復収録を続けながら、軽妙な金田一と堅実な土方をひょうひょうと演じ分けた。フットワークも軽かった。

石坂や鹿賀丈史の主演で大作が続いた角川映画金田一シリーズで、当時唯一の低予算パロディー作品となった「金田一耕助の冒険」の主演を引き受けたのも古谷さんらしかった。テレビシリーズの方は約20年続いたので、後年「最後の方は逆立ちがきつくて、壁をつかわせてもらった」と漏らすのを聞いたことがある。取材でも、肩肘張らずに正直な人だった。

「混浴露天風呂連続殺人」の共演女優との浮気が発覚した時も「ゴメンナサイ」とあっさり謝罪して早々に騒動が幕となったのもこの人のキャラならではでなかったかと思う。【相原斎】