経済学者の金子勝氏(70)が30日、文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」(月~金曜午後1時)にゲスト出演。タレントのタモリ(77)が28日にテレビ朝日系「徹子の部屋」(月~金午後1時)に出演した際に「来年は新しい戦前になる」と発言したことについて「お笑いはすごいなと思う。エンタメ業界の方が先を行っている。来年は新しい戦前になる」とタモリの意見に追随した。

タモリはテレビ朝日の番組の中で、黒柳徹子とのやりとりで、来年について「誰も予想できないですね」「新しい戦前になるんじゃないですかね」と発言。幸せを感じる瞬間は「昼間からビール飲んでるときですかね。おつまみはいらないんです」と話したことが、ネット上のトレンドワードになった。

金子氏は「お笑い界の人はすごいと思う。徹子の部屋でタモリさんは、苦い顔をして『新しい戦前ですかね』と話した。感性がすごい。喜劇を書ける人は悲劇も分かる。井上ひさしがそう。お笑いの人の懐の深さ、タモリさん思い切ったことを言った。エンターテインメントの方が先を行っている」と持論を展開した。

同じくゲスト出演したジャーナリストの青木理氏は「タモリさん、黒柳さんの世代は分かっている。今年は防衛費増大の問題、敵基地攻撃能力、相当な危機感として共有されていると思う」と日本を取り巻く世界情勢の変化、日本国内の政治の劣化、国民の声を聴かない政権と報道のあり方に対する危機感を示した。青木氏はその上で、タモリの先を見る力について「お笑いの人は世襲がない。政治は世襲ばかり」との見解も加えた。

金子氏は「(来年は)新しい戦前になるんですよ。原発やアベノミクスを批判するとテレビは一発アウト、オレがそうだけど。しゃべる人はどういう勇気をもっているか。国民が長期政権を維持していると総理番はちょうちん記事ばかり書くようになる」と報道の自由度も失われている点を懸念した。