劇作家、演出家の野田秀樹(67)が作、演出するNODA・MAP公演の新作が「兎、波を走る」に決まり、高橋一生(42)松たか子(45)多部未華子(34)らが出演することが8日、分かった。2年ぶりの書き下ろし新作で、6月から東京、大阪、福岡で公演。

前回の新作「フェイクスピア」にも出演した高橋は「再度お声掛けをいただいたこと、本当にうれしく思いました。野田さんとの創作は、まるで劇団時代を思い出すようです。作品と対話を重ねていく過程も幸福な時間なので楽しみにしています」とコメント。

松は昨年再演された「Q:A Night At The Kabuki」に続き2年連続のNODA・MAP出演。「野田さんが新作をまた書く、そしてそこに声をかけてもらえて光栄です。スペシャルな役者さんの中でお芝居ができるのは最後なのかなと思うほど。心して臨みます」と、喜びと覚悟を示した。

多部は念願のNODA・MAP初参加で「野田さんに初めてお会いしてからずっと、いつかあの舞台に立てたらいいなと思っていました。ワークショップに参加して、みんなでひとつの事を考えることがぜいたくな経験でした。有意義な時間を過ごせたと思っていただける舞台をつくっていきます」と話している。

内容はなぞめいている。野田によると設定は「“つぶれかかった遊園地”を舞台に繰り広げられる“劇中劇(ショー)”のようなもの」。「兎」「アリス」「世界的な希代の劇作家」などが登場するが、ストレートにそのものを表すのかもなぞだ。高橋は「濃密な身体表現を求めていただけるのは野田さんの舞台の醍醐味(だいごみ)」とし、松も「大きな衝撃を持ったお芝居として表れると思う」と期待を寄せている。

○…高橋と松は舞台初共演、松と多部は映像、舞台も合わせて初共演となる。ほか、秋山菜津子、大倉孝二、大鶴佐助、山崎一、野田ら全26人のキャストが出演。東京芸術劇場プレイハウスは6月17日~7月30日、大阪・新歌舞伎座は8月3~13日、NODA・MAP初上演の福岡・博多座は8月17~27日。全69公演。