4月14日付の朝日新聞にオフコースの全面広告が掲載されていた。懐かしい、セピア色の5人のグループショットに目を奪われる。
オフコースが初アルバム「オフ・コース1 僕の贈りもの」をリリースしてから、今年6月に50年を迎えることから、「コンプリート・シングル・コレクションCD BOX」と「コンプリート・アルバム・コレクションCD BOX」が、再び発売されるのだという。
シングルコレクションは、東芝EMI(現ユニバーサルミュージック)から発売された24枚のシングル48曲とあわせて、FUN HOUSE(現ソニー・ミュージック・アリオラ・ジャパン)から発売された12枚のシングル24曲を加え、36作品のシングルを12センチの紙ジャケットCDで復刻するという。
東芝EMIとかファンハウスとか…。今はないレーベルが出てくることからも、長い、オフコースの歴史が伝わってくる。
なぜ、このオフコースの広告がことさら目にとまったのかというと、数日前に、アリスのドラマー、矢沢透を取材していたからだった。
矢沢は、前千葉県知事で俳優の森田健作(73)がパーソナリティーを務めるFM NACK5「青春もぎたて朝一番!」(日曜午前6時30分)とニッポン放送「青春の勲章はくじけない心」(月曜午後6時20分)にゲスト出演することになり、都内のスタジオで収録に臨んでいた。
アリスも昨年、オフコースと同じく、デビュー50周年を迎えている。
番組では矢沢がドラムを始めたきっかけから振り返った。高校生の時に、ジャズトランペット奏者の中野彰さんのバンドボーイに採用され、17歳の時にジャズ・ドラマーとしてデビュー。住むところもなく、大阪の事務所に寝泊まりしていたところ、新しく桑名正博さんが入ってきたという。桑名さんの実家はその当時、財閥などと呼ばれるほど裕福で、誘われるまま、桑名さんの実家に居候させてもらったという。
さらに、杉田二郎率いるジローズのライブにドラマーとして参加した。このジローズで前座を務めていたのがまだ2人組のオフコース。同じ前座同士ということで、小田和正、鈴木康博とも仲良くなり、オフコースの初アルバム「僕の贈りもの」や3枚目の「ワインの匂い」のドラムを担当したという。
矢沢は「もしかしたら、オフコース入っていたかもしれないんですけど、ただ、そのあたりの記憶は定かではないんですよね。気になって、(スターダストレビューの)根本要にそのことを話したら、小田さんも同じことを言っていたと言われて、ホッとしました」などと語っていた。
昭和の最後に青春時代を送った者としては、アリスとオフコースの人気は双璧だったように思う。もちろん、ジャンルを広げれば、さまざまなアーティストやバンドを推す人もいた。
ただ、誤解をおそれずに言うと、オフコースは女性ファンが多かった。現代のように、ジェンダーレスなどという概念もなく、男は男らしく、女は女らしくと、社会に半ば強要されていたような時代。男子がオフコースが好きと言うのは、ややハードルが高かったような気がしていた。ラジオ番組のベスト10ランキングで、オフコースの「やさしさにさようなら」が何週も連続1位を続けているのだと気にしながら、好きな楽曲なのに、それはラジオの前だけで、学校の友だちの前では、ちょっと言いづらかった、甘酸っぱい思い出がよみがえる。
オフコースは5人組となり、その後解散。小田を筆頭に、ソロとして活動している。アリスも解散というか、休業を経て、今年も、全国ツアー「ALICE 10 YEARS 2023~PAGE1~」を6月17日の松戸公演を皮切りに、全国で21公演を行う。
ただ、心配なのは、谷村新司の病状だ。谷村は今年3月、急性腸炎と診断され、手術を受けることになり、当面の間の療養を発表している。矢沢は「ツアーには間に合うと思います」と話しており、谷村もメディアに対して「今回の入院でたくさんの心配をしていただき、皆さんの気持ちに心から感謝しています。1日でも早く元気な姿で復活できるとうに頑張りますので、再会を楽しみに待っていてくださいね」とのメッセージを出している。
オフコースとアリス。矢沢を媒介として、1度だけでもいいので、コラボ公演ができないものだろうか。ファンとして、最後の要望を出してみたい。【竹村章】



