NHKは27日、東京・渋谷の同局で会見し、25年放送の大河ドラマに横浜流星(26)が主演すると発表した。タイトルは「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~」。喜多川歌麿、葛飾北斎らを見いだした“江戸のメディア王”蔦屋重三郎の生涯を描く。大河初出演にして初主演に決まった横浜は「皆さんの心が楽しくなるようなエンターテインメントを届けたい」と意気込んだ。
◇ ◇ ◇
背筋をピンと伸ばした横浜は「役者として1つの目標だった大河ドラマ。初出演、初主演に選んでいただき大変光栄に思っています」とあいさつ。昨秋にオファーを受け、同局ドラマ初出演での抜てきとなった。「自分に何でお話をいただけたのかと驚きが隠せなかった」と率直に語りつつ、これまでに挑んでは落選した大河や朝ドラのオーディションを振り返りながら「なかなか力不足で選んでもらえなかったけど、1つ1つやって今があると思うと感慨深い」と笑みを浮かべた。
演じる蔦重については、現在勉強中という。「普段、自分は歌麿や北斎のようにプロデュースされる側。プロデュースする側を演じるのは興味深い」と話す。脚本の森下佳子さんから「とにかくお美しいのでいろいろやりたくなる。場所が吉原なので、女性ものの着物を着せてみたい」と構想を打ち明けられると、予想外の提案に笑いつつ「義理人情に厚く、タイトルのような“べらぼう”な人物になると思う。そういう役柄は今までやったことがないので挑戦的」と意気込んだ。
藤並英樹チーフ・プロデューサーは、横浜のまじめで謙虚な人柄が周囲から多く語られていることが起用理由の1つになったと明かし「表現力と演技力だけでなく、多くの方が彼の人間性に対してそこまでおっしゃるのであれば、ぜひとお声がけした」。蔦重は、政府の弾圧や飢饉(ききん)、自然災害を乗り越えて江戸にエンターテインメントを根付かせた。コロナ禍では娯楽の必要性が問われたが、横浜は「僕は生きていく上で必要だと思っている」と言い切り、「重圧を受けても、世の中に『楽しい』を送り出す姿は心を動かされたし、今の時代にリンクしていると思う。だからこそ今描くべき作品。皆さんの心が楽しくなるようなエンターテインメントをしっかりと届けていきたい」と胸を張った。
◆蔦屋重三郎(つたや・じゅうさぶろう) 1750~1797年の江戸時代の浮世絵師の版元。江戸郊外の吉原の貧しい庶民の子に生まれて幼くして両親と生き別れた。血のつながりをこえた人のつながりの中で育ち、貸本屋から身を興して、書籍の編集、出版業を開始。喜多川歌麿、葛飾北斎、東洲斎写楽、曲亭馬琴らを見いだし、“江戸の出版王”へと成り上がった。蔦屋重三郎を主人公にした漫画「じょなめけ」が07年から週刊モーニングで連載され、21年公開の映画「HOKUSAI」では阿部寛が演じた。また、書店・レンタルビデオ大手「TSUTAYA」の名の由来の1つとして、功績にあやかったともされている。



