2年半分の思いを込めた歌声を響かせた。22年に「人の心にしみ入るホーリーボイス」と称されて鮮烈デビューした歌手の花耶(24)が8月24日、東京・港区のライブ会場「月見ル君想フ」で単独公演「花耶 Acoustic Live 2025」を行った。

所属事務所移籍や、慢性へんとう炎の治療でへんとう摘出術を受けて休養期間を設けるなどした影響で、本格ライブは約2年半ぶり。商売道具とも言える喉への手術で「声が変わってしまうんじゃないか」といった不安も乗り越えて立ったステージとなったが、変わらぬ姿をみせてファンから喝采を浴びた。

感極まるタイミングは早々に訪れた。冒頭でステージに立つとファンから「おかえり!」と声が飛んだ。デビュー曲「白馬の王子と薔薇色の私」で始め、作詞した「スナドケイ」、「Love(d)」まで歌いきると、すぐに手で顔を覆った。「みんなに会えてうれしいです」。涙を拭いて切り替えると、すぐに笑顔に。「信頼できる方にきれいにしていただいて、ピカピカの喉になりました!2年半ここまで待ってくれていた大好きなみんなとイベントができて幸せです。待っていてくれてありがとうございました」と感謝を伝えた。

花耶は高校2年時にNHK「のど自慢」山梨県大会優勝で注目を集め、デビュー時に一青窈から「人の心にしみ入るホーリーボイス」と評されたほか、グラミー賞なども獲得した米国の伝説的女性シンガー・ソングライター、ジャニス・イアンにもその才能を認められて楽曲提供も受けた。昨年6月にはデビュー時から所属していた太田プロからアース・スターエンターテインメントへ移籍。アニメ、コミック事業などにより力を入れる会社へ移り、アニソンシンガーとしても本格的に活動を始めた。

ライブでも「残酷な天使のテーゼ」などのアニソンも披露しており、10月放送開始テレビアニメ「無職の英雄~別にスキルなんか要らなかったんだが~」主題歌の新曲「Reincarnation」なども初歌唱。楽曲タイアップも増えており、新曲「サザンカ」はフルボイス・ヴィジュアルノベルアプリ「戦国小町苦労譚 語絵巻-カタリエマキ-」の主題歌、さらに26年放送アニメの主題歌のタイアップもすでに決まっていることを明かした。

26年アニメのタイアップソングはすでにレコーディングを終えたといい、ライブMCで「もうすごいですよ。めちゃくちゃいい曲なので、早く聞いてほしいです」と語っていた。今後の展望についてはミュージカル挑戦も掲げ「実は高校の時とかも習っていたんですよ。これからどんどんそういう世界にも踏み込んでいきたいなと思っています」と力を込めた。

久々にステージに立った姿は少し大人びて見えた。今回はピアノとギターのみのライブで「アコースティックで歌うアニソン良くないですか?大人ディープな感じがします」と本人も笑顔で語っていた。少々の充電期間も挟み、花耶が再びその歌声を届けていく。【松尾幸之介】

 

◆花耶(かや) 本名斉藤花耶。2001年(平13)4月26日、山梨県南アルプス市生まれ。5歳でピアノを習い始め、翌年に歌も始める。高校2年だった18年にNHK「のど自慢」山梨県大会優勝をはじめ、複数のコンクールで賞を受賞。23年からは若手歌手が昭和から現代までの名曲を歌い継ぐ音楽プロジェクト「ウタヒメドリーム」の“失恋ソングシンガー”HiREN役も担う。趣味は映画、ドラマ、アニメ鑑賞、特技は目薬を秒で差すこと、絶対音感。156・5センチ。血液型A。