岡田茉莉子(92)が1日、都内で開催中の東京国際映画祭・日本映画クラシックスで上映された「生誕120年 成瀬巳喜男特集 浮雲 4Kデジタルリマスター版」上映会に登壇。1955年(昭30)の公開当時22歳で、監督は世界的巨匠の成瀬巳喜男監督、主演は高峰秀子さん、共演は森雅之さんと、日本を代表する映画人がそろった作品に出演したことに「あの中に入って、よくやったと思います」と振り返った。
「浮雲」は林芙美子の同名小説の映画化作品で、戦中戦後の混乱期を舞台に、男と女の愛と悲劇を描いた成瀬監督の代表作。高峰さんが戦時中にインドネシアに赴任した、ゆき子、森さんは、妻のある身ながら、ゆき子と出会い、恋に落ちる農林省(現農林水産相)の技師・富岡、岡田は富岡がゆき子とは別に関係を持つ、おせいを演じた。
日本映画史における恋愛映画の最高傑作の1つとされ、5月に開催された世界3大映画祭の1つ、カンヌ映画祭(フランス)で、高音質で進化した新4Kリマスター版が上映され、それが今回、日本で初上映された。
岡田は、成瀬監督の51年「舞姫」でデビューし「浮雲」は4年後に、主演映画「芸者小夏」(杉江敏男監督)と並行して撮影したという。岡田は「『芸者小夏』の間を縫っての撮影…大変でございました。デビュー間もない私にできるかと思いましたが、掛け持ちでやりました。好きな役でございます」と振り返った。
成瀬監督の印象を聞かれると「巨匠ですのに。とても優しくして頂いて」と感謝。「演技指導も名にもされないですが、1回だけ褒めてもらった。おふたりを見送った後の、ドアの閉め方が良かったと…印象に残っています」と笑みを浮かべた。
高峰さんとの思い出を聞かれると「大先輩なのに明るい方で、私が緊張しないよう冗談を言って、現場は明るかった。まるでお友達みたいにして付き合ってくださった、優しい方です。私自身、緊張せず、やれたと思っております」と感謝を重ねた。
森さんについては「役と違って明るい方。ああいう役ですけども…優しく教えてくださいました。冗談ばっかり言って。大先輩なので小さくなっていたら、普通に扱って頂き、おかげさまで楽に芝居ができました。現場は、すごく楽しかったです」と振り返った。



