第175回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、都内で行われ、直木賞候補にノミネートされていたオードリー若林正恭(47)の初小説「青天(あおてん)」(文芸春秋)が受賞を逃した。同賞のタレント受賞となれば史上初の快挙だった。

選考委員の辻村深月氏は、若林の「青天」について、審査会では「伸びやかで、表現が光っている。すべて計算していないのが好評だった」とした一方で「初めての小説で、この先どんなものを書かれるのかを見てみたい」とした。

「99年が舞台で、現在の読者に対して当時を伝える解像度が高い」とし、「現在を現在の読者に対してどんな書き方をするのかを望む声が多かった」と明かした。

若林は13年からエッセーを刊行してきたが、小説は初。「青天」は自身も経験してきたアメリカンフットボールが題材の青春物語。99年の東京を舞台に、弱小アメフト部に所属する主人公が、引退試合で強豪校に敗れた後、自分自身のふがいなさにもがきながらも、再びアメフトと向き合う姿を描いている。

直木賞は朝倉かすみ氏の「けんぐゎい」に決定した。選考委員の辻村氏は、蝉谷めぐ実氏の「見えるか保己一」との決選投票となったことを明かし、2度目の投票で朝倉氏の「けんぐゎい」が満票だったことを明かした。

◆直木賞 「文芸春秋」を創刊した菊池寛が、前年に43歳で死去した直木三十五を記念し1935年に創設。大衆文学の作家が対象で、同時に誕生した芥川賞は純文学の新進作家が対象となる。選考委員会は年2回。正賞は時計、副賞100万円。第1回受賞者は川口松太郎。(敬称略)